建設業界で輝く女性たち!仕事内容からキャリアパスまで徹底解説
- 中の人
- 9月18日
- 読了時間: 8分
更新日:9月25日
「建設業界は男性社会」というイメージがまだ根強いかもしれません。
しかし今、建設業界は大きな変革期を迎え、女性の活躍がこれまで以上に期待されています。
人手不足の解消や多様な視点の導入のため、国や企業が女性の就労を積極的に後押ししているのです。
この記事では、建設業界に興味を持つ女性や、キャリアに悩む女性に向けて、仕事内容、給与、働きがい、そして未来のキャリアパスまで、リアルな情報を網羅的にお届けします。
あなたの不安を解消し、新しい一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
建設業界における女性の現状と将来性
まずは、データをもとに建設業界で働く女性の「今」を見ていきましょう。まだまだ少ない現状と、だからこそ広がる大きな可能性について解説します。

建設業の女性の割合はどのくらい?
令和元年度時点で、建設業における女性就業者は約84万人で、全体の約16.8%を占めています。
全産業の女性割合が約44.5%であることと比較するとまだ低い水準ですが、女性の就業者数は年々増加傾向にあります。
特に、2014年に国土交通省と建設業界団体が「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定して以来、官民一体となった取り組みが進められています。
建設業における女性の職種別割合
職種 | 女性の割合 |
技術者 | 約3.4% |
技能者 | 約14.8% |
管理的職業・事務従事者 | 約66% |
この表からもわかるように、現場を支える技術者や技能者における女性の割合はまだ低く、今後の活躍が特に期待される分野です。
なぜ少ない?建設業界で女性が働きにくいとされてきた3つの理由
労働環境の問題: かつては「3K(きつい・汚い・危険)」のイメージが強く、現場には女性用のトイレや更衣室が整備されていないことが多くありました。
長時間労働の常態化: 現場の工期によっては長時間労働になりやすく、出産や育児といったライフイベントとの両立が難しいという課題がありました。
ロールモデルの不在: 周囲に女性の先輩や上司が少なく、将来のキャリアを描きにくいと感じる女性も少なくありませんでした。
未来は明るい!国や企業が進める女性活躍推進の取り組み
現在、建設業界は「新3K(給料が良い・休暇が取れる・希望が持てる)」を掲げ、イメージアップと働き方改革を推進しています。
ハード面の整備: 国土交通省は、男女ともに快適に使える「快適トイレ」の設置を標準化するなど、現場環境の改善を進めています。
ソフト面の支援: 育児休業や時短勤務制度の導入、女性技術者同士のネットワーク構築支援など、女性が長く働き続けられるためのサポート体制が強化されています。
採用・育成の強化: 女子学生向けの現場見学会や、女性リーダーを育成するための研修会などが積極的に開催されています。
どんな仕事がある?建設業界の女性向け職種ガイド
建設業界の仕事は、現場作業だけではありません。女性の特性やスキルを活かせる多様な職種が存在ます。ここでは代表的な職種を3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

【カテゴリー1】現場で活躍する技術職(施工管理・設計など)
現場の最前線で、工事の品質・安全・工程・予算を管理する仕事です。コミュニケーション能力や細やかな気配りが求められるため、女性が強みを発揮しやすい職種と言えます。
施工管理(現場監督): 工事全体の司令塔。職人さんへの指示出しや、発注者との打ち合わせなど、多くの人と関わります。
設計・CADオペレーター: 建物の設計図を作成したり、専用ソフト(CAD)を使って図面を修正したりする仕事。正確性や集中力が求められます。在宅勤務が可能な場合もあります。
【カテゴリー2】専門知識を活かす技能職(職人)
専門的な技術を身につけ、ものづくりのプロフェッショナルとして活躍します。近年は女性向けの工具や作業着も開発され、体力的な負担も軽減されています。
塗装工、内装工: 細やかな作業や色彩感覚が活かせる仕事です。
重機オペレーター: クレーンやショベルカーなどの重機を操縦します。資格が必要ですが、一度取得すれば長く活躍できます。
【カテゴリー3】会社を支える事務・営業職
現場に出ることは少ないですが、建設会社が円滑に事業を進めるために不可欠な存在です。
一般事務・経理: 書類作成や電話応対、経費精算などを行います。建設業経理士などの資格があると給与面で優遇されることもあります。
営業: 発注者との関係構築や新規案件の受注を目指します。コミュニケーション能力が最も重要視される仕事です。
リアルな悩みと解決策は?現役女性社員の声
華やかな活躍の裏には、やはり悩みもつきものです。ここでは、建設業界で働く女性が抱えがちな悩みと、その乗り越え方をご紹介します。
悩み1:体力的な不安と現場の環境
「男性と同じように力仕事ができるか不安」「現場のトイレや更衣室が気になる」という声は多く聞かれます。
解決策: 近年は技術革新により、重い資材を運ぶ作業は機械化が進んでいます。また、前述の通り「快適トイレ」の導入など、女性が働きやすい環境整備が急速に進んでいます。面接時などに、会社の具体的な取り組みについて確認してみると良いでしょう。
悩み2:キャリアとライフプランの両立
「出産や育児でキャリアが中断してしまうのではないか」「ロールモデルがおらず、将来像が描きにくい」という悩みです。
解決策: 産休・育休制度の取得実績や、復帰後のサポート体制(時短勤務、部署異動など)が整っている企業が増えています。また、業界団体が主催する女性交流会などに参加し、社外のロールモデルを見つけることも有効です。
悩み3:男性社会ならではの人間関係
「男性ばかりの職場で、うまくコミュニケーションが取れるか心配」「女性だからという理由で特別扱いされたり、逆に軽く見られたりしないか」という不安です。
解決策: 重要なのは、臆せずに自分の意見をしっかりと伝えることです。専門知識や資格を身につけ、「プロフェッショナル」として対等な立場で接することで、信頼関係を築きやすくなります。ハラスメントに関する相談窓口を設けている企業も増えています。
キャリアアップを後押し!女性におすすめの資格5選
専門的な資格は、キャリアの可能性を大きく広げます。特に道路や橋、ダムといった社会インフラを支える土木分野では、以下の資格がキャリアアップの強力な武器となります。
土木施工管理技士(1級・2級)
土木工事の現場監督として、施工計画の作成から工程・品質・安全管理までを担うための国家資格です。
特に1級は、大規模な公共工事を担当するために必須であり、取得すれば給与アップや転職にも有利になります。
性別に関係なく能力が評価されるため、女性がキャリアを築く上で基本となる資格です。
また、出産などで一時的に現場を離れても、資格があれば復帰しやすいというメリットもあります。
技術士(建設部門)
科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を証明する、技術者にとって最高峰の国家資格です。
コンサルタントとしてプロジェクトの計画・調査・設計段階から関わることができ、より上流の立場で専門性を発揮できます。
女性技術士の数はまだ少ないですが、着実に増加しており、専門家としての確固たる地位を築きたい女性におすすめです。
測量士/測量士補
あらゆる土木工事の基礎となる土地の位置や形状を正確に測定する専門家です。
現場での測量(外業)だけでなく、事務所でのデータ分析や図面作成(内業)も重要な仕事であり、緻密さや正確性が求められる内業は女性の強みを活かしやすい分野です。
測量業界でも女性の活躍が期待されています。
コンクリート診断士
橋やトンネルなど、既存のコンクリート構造物の劣化状態を診断し、維持管理計画を立てる専門家です。
インフラの老朽化対策が社会的な課題となる中、需要が非常に高まっています。
現場経験を活かし、維持管理という新たな分野で専門性を高めたい女性にとって、将来性の高い資格と言えるでしょう。
車両系建設機械運転技能者
ショベルカーやブルドーザーなど、土木工事に不可欠な建設機械を運転するための資格です。
複数の種類の機械を扱えるようになれば、現場での対応範囲が広がり、技能者としてキャリアアップを目指せます。
近年は操作性が向上した機械も増えており、女性オペレーターの活躍も増えています。
女性が働きやすい建設会社の見つけ方
数ある建設会社の中から、自分に合った企業を見つけるためのチェックポイントをご紹介します。

企業のウェブサイトや採用ページを確認する:
女性社員のインタビュー記事や、活躍事例が掲載されているか。
「えるぼし認定」「くるみん認定」など、女性活躍や子育てサポートに関する国の認定を取得しているか。
制度の有無と利用実績を確認する:
産休・育休制度、時短勤務制度があるか。
実際に制度を利用している社員がどのくらいいるか。
インターンシップや現場見学会に参加する:
職場の雰囲気や、実際に働く女性社員の様子を自分の目で確かめるのが最も効果的です。
【まとめ】
建設業界は、今まさに女性が活躍できるフィールドへと大きく変化しています。
かつての「男性社会」というイメージは払拭されつつあり、多様な働き方を許容する環境整備が国と企業の両輪で進められています。
現場の最前線でリーダーシップを発揮する技術者から、専門スキルを活かす技能者、そして会社を支える事務・営業職まで、あなたの個性と能力を活かせる場所がきっと見つかります。
この記事でご紹介した情報が、あなたの不安を解消し、建設業界という新たな世界へ挑戦する後押しとなれば幸いです。
ぜひ、積極的に情報収集し、あなたらしいキャリアを築いていってください。


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